こんにちは、医師ハルハクです。

以前の記事で、小3の娘が発熱し、小児科受診に連れて行ったことを記事にしました。

▶︎小3娘の発熱は夏かぜ?それともコロナ? 父親医師の小児科受診レポート

高熱がでたときに、アセトアミノフェン(カロナール)300mgを使用しました。

今回使用したアセトアミノフェンは、解熱鎮痛薬です。

小児から成人まで幅広く使える薬ですが、意外と知らないこともあると思いますので、今回記事にしました。

特に小児の解熱・鎮痛を目的として使用する際に、正しく安全な使用量を知っていただき、あなたのお子さんの対応にも役に立てれば嬉しく思います。

※担当医の判断によって、使用量や間隔は変わる可能性があります。
診察を受けて処方された場合、その指示に従ってください。

1. アセトアミノフェンとは?

アセトアミノフェンは、解熱(熱を下げる)と 鎮痛(痛みを和らげる)の効果がある薬です。

頭痛、歯の痛み、筋肉痛、発熱などで使われます薬です。

アセトアミノフェンは薬の一般名で、製品名としては、「アセトアミノフェン錠〜」、「カロナール」、「アンヒバ」、「アルピニー」などがあります。

アセトアミノフェンの特徴として、以下のようなものがあります。
• 胃腸への負担が少ない
• 喘息や腎機能への影響が少ない
• 小児や妊婦にも使いやすい
• 使いすぎるによる肝臓への障害に注意

小児に使用するアセトアミノフェンの量

アセトアミノフェンの用量は、適応となる疾患によって異なりますが、
小児科領域での解熱・鎮痛」に対して、添付文書には次のように記載されています。

「通常、幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回10〜15mgを経口投与し、投与間隔は4〜6時間以上とする。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日総量として60mg/kgを限度とする。
1回あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして500mg、1 日あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして1500mgである。
アスピリン喘息又はその既往歴のある患者に対する1回あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして300mg以下とすること。」

※執筆時点での添付文書の内容ですが、医学的な知見によって内容が変わることがあります。


たとえば、体重20kgのお子さんであれば
基本用量:1回 10〜15mg/kg → 1回あたり200mg〜300mgの量を、
4〜6時間以上の時間をあけながら、必要に応じて使用することになります。

1日総量として60mg/kgを限度 → 1日1200mgまでの使用ということになります。

注意点として、体重に関わらず、1日トータルで1500mgを超えないようにする必要があります。

また、アスピリン喘息のかたや、その既往があるお子さんは、1回あたりの最大用量は300mgまでになります。

アセトアミノフェンの解熱効果が出てくるまでの時間は?

目安にはなりますが、アセトアミノフェンは、内服してから30分〜1時間で効果が出始めて、効果の持続は 4〜6時間程度といわれています(個人差もあります)。

熱がまた出てきて、再び使用することもあると思いますが、熱が下がらないからといって、短時間に使いすぎないようにしましょう。

次の使用は、必ず間隔(4〜6時間)をあけることが大切になります。

まとめ


★アセトアミノフェンは小児・妊婦・高齢者にも比較的安全に使える解熱鎮痛薬(胃腸への負担も少ない)

★小児の使用量は体重換算が基本
 1回10〜15mg/kg、4〜6時間あけて投与
 1日最大は60mg/kg(ただし1500mgを超えない)

★効果は30分〜1時間で発現し、4〜6時間持続が目安
連用による肝障害に注意し、必ず投与間隔を守ることが大切

※担当医の判断によって、使用量や間隔は変わる可能性があります。
診察を受けて処方された場合、その指示に従ってください。

お子さんの高熱はとても心配になるものです。

アセトアミノフェンは、お子さんにも安心して使える解熱鎮痛薬です。

使うときは必ず体重に合わせた量と間隔を守ることが大切です。

熱だけではなく、お子さんが苦しそうかどうかも、薬を使用する際の目安にもなります。

心配なときは一人で悩まず、早めに医療機関を受診してくださいね。

P.S.

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