こんにちは、医師ハルハクです。
私は整形外科医として、骨粗鬆症の診療に関わることが多く、毎日のように骨粗鬆症の患者さんの診療を行っています。
また、日本骨粗鬆学会の認定医の資格も有しています。
最近の骨粗鬆症の海外の指針では、非常に高い骨折のリスクのある例には、骨形成促進薬を先に使用して、その後に骨吸収抑制薬を使用する逐次療法を行うことも推奨されています。
そこで今回は、代表的な骨形成促進薬(注射薬)について、その製品や使い方の特徴についてまとめます。
※医学的な知見は、日々新しい研究によって更新されています。
この記事の内容は執筆時点での情報に基づいていますが、今後新たな見解が示される可能性があります。
新たな薬剤が登場する可能性もあります。
薬の使用や健康に関する判断は、必ず主治医や医療機関にご相談ください。
代表的な骨形成促進薬(注射薬)
【副甲状腺ホルモン受容体作動薬】
一般名:テリパラチド
商品名:フォルテオ、テリパラチドBS「モチダ」
一般名:テリパラチド酢酸塩
商品名:テリボン皮下注用、テリボン皮下注オートインジェクター、テリパラチド皮下注用「サワイ」
一般名:アバロパラチド酢酸塩
商品名:オスタバロ
【ヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体】
※骨形成促進作用と骨吸収抑制作用の両方があります(デュアル・エフェクト)
一般名:ロモソズマブ
商品名:イベニティ
【商品ごとのおもな特徴】
・フォルテオ:皮下注、1日1回、24ヶ月まで、自己注射OK
・テリパラチドBS「モチダ」:バイオシミラー製品、皮下注、1日1回、24ヶ月まで、自己注射OK
・テリボン皮下注用56.5μg:皮下注、週1回、24ヶ月まで
・テリボン皮下注28.2μgオートインジェクター:皮下注、週2回(1回28.2μg)、24ヶ月まで、自己注射OK
・テリパラチド皮下注用「サワイ」56.5μg/mL:皮下注、週1回、24ヶ月まで
・オスタバロ:1日1回(80μg)、皮下注、18ヶ月まで、自己注射OK
・イベニティ:1ヶ月に1回(210mg)、12ヶ月まで
まとめ
骨折のリスクが非常に高い患者さんで骨形成促進薬を使用する場合、これらの薬剤を選択肢として、生活様式、既往歴、薬剤の合併症、コンプライアンスなど、患者さんの背景をみながら、どの薬剤を使用していくのかを考えていく必要があります。
骨粗鬆症があって骨折のリスクが高いかたは本当にたくさんいらっしゃいます。
骨折を起こすと、ものすごく痛くて苦しいですし、命に関わることもあります。
少しでも骨折を起こす患者さんが減るように努めていきたいと思います。
お勧めの参考書・医学書
骨粗鬆症の診療に関して、実際の臨床で使用するとしたら、こちらがお勧めです。
<もう悩まない!骨粗鬆症診療 改訂第2版>
ものすごく実践的で、臨床で悩んでいることを解決してくれます。
2025年2月に販売されています。
エムスリー(m3)電子書籍などの電子書籍でも利用できます。
私はエムスリー(m3)電子書籍で利用しています。
また、日本骨粗鬆学会の認定医を目指すのであれば、こちらは必須です。
<骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版>
2025年7月に販売されています。
学会は公式に、この書籍が認定医試験の出題範囲であることをアナウンスしています。
私も旧版を利用して認定医試験の対策をしました。
こちらは残念ながら、電子書籍は見当たりませんでした(執筆時点)。